パーキンソン病への理解を深め、実践できる看護プログラムと日常生活支援を目指す。
パーキンソン病看護研究会では、最新の研究と臨床知見に基づいたパーキンソン病看護のあり方について議論を行い、最新のパーキンソン病実践看護の構築を目指します。
Nursing Study Group for Parkinsons's Disease
パーキンソン病看護研究会
パーキンソン病看護研究会では、最新の研究と臨床知見に基づいたパーキンソン病看護のあり方について議論を行い、最新のパーキンソン病実践看護の構築を目指します。
パーキンソン病は世界で約1,000万人以上の人々が罹患している進行性の神経疾患です。高齢に伴い発症率が高まるため、2030年には全世界で3000万人とされ、世界的なパンデミック(広範囲に及ぶ流行病)となる予想もあります。その症状は、片方の手の震えからはじまり、足がうまく前に出なくなる、バランスを崩しやすい、動きが小さくゆっくりとなるのが特徴で、身体全体の動きをうまくコントロールできなくなってきます。
ただ、これらの運動症状は氷山の一角といわれ、その多くは非運動症状と呼ばれる自律神経障害(排泄障害、血圧変動、多汗や流涎、消化器官の動きの低下など)、精神症状(うつ、睡眠障害、意欲の低下、幻覚など)にあります。また、他の病気や機能障害によってパーキンソン病と似た症状(パーキソニズム)が出ることは、パーキンソン症候群と区別して呼称しています。
パーキンソン病の原因は神経細胞にαシヌクレインというタンパク質の凝集、蓄積することにより発症すると考えられています。このαシヌクレインは脳だけでなく身体の各所に存在が確認され、パーキンソン病は「全身の病気」と考えられています。
パーキンソン病の治療として、ドパミン製剤など症状を改善する薬は存在しますが、病気そのものを治す根本的な方法はないのが現状です。近年では早期診断と進行を遅らせる方法が考えられており、αシヌクレインから発病のリスクを調べた研究や、αシヌクレインの蓄積を抑制する治療薬の開発などが行われています。
パーキンソン病は高齢に伴い発症率が高いことから、超高齢社会である日本ではより多くの罹患が想定されています。英国ではパーキンソン病を専門とした看護師がおり、日本でも近年、国内の関連学会が中心となった研修会が開催され、育成に力が注がれています。パーキンソン病の看護は、運動・非運動症状、治療に伴う作用について理解し、適切なケアを行うことが大切です。
また、誤嚥や転倒、麻痺性イレウス、悪性症候群などのリスクへの対応も求められます。看護師による適切なケアは、本人や家族にとってよりよい方向へと導き、QOL(Quality of Life)に大きく貢献できる可能性を秘めています。
パーキンソン病看護研究会は、最新の研究と臨床知見に基づいたパーキンソン病看護のあり方について議論を行い、最新のパーキンソン病実践看護の構築を目指しています。
この目的を達成するために次の活動を行っています。
パーキンソン病に関する研究動向についての研修会や学会への参加を行う。
最新のパーキンソン病看護についての検討会を定期的に開催する。
その他、本会の目的を達成するための必要な活動を行う。
パーキンソン病の看護と日常生活支援
出版社
メディカ出版
著者
紙屋克子(監修)
丸本浩平(医療監修)
山下哲平(編)
パーキンソン病看護研究会(著)
発行日
2019年4月1日
名称
パーキンソン病看護研究会
設立
2016年5月
目的
本研究会は、最新の研究と臨床知見に基づいたパーキンソン病看護のあり方について議論を行い、最新のパーキンソン病実践看護の構築を目指す。
活動
本研究会は、目的を達成するために以下の活動を行う。
パーキンソン病に関する研究動向についての研修会や学会への参加を行う。
最新のパーキンソン病看護についての検討会を定期的に開催する。
その他、本会の目的を達成するための必要な活動を行う。
事務局
兵庫県立リハビリテーション西播磨病院 丸本 浩平
姫路獨協大学 山下 哲平